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2020年に読んだ本①「PERって何?という人のための投資指標の教科書」

投資

こんにちは、まいたけです。基本的にはインデックス積立投資ですが、他の投資法の本も読んでいます。今日はこちら。タイトル通り、PERやEPSなどよく分からないので読んでみました。

投資をするための3つの分析

冒頭で紹介される3つの分析が以下の3つです。

  1. 経済分析:いまが買い時かどうか
  2. 企業分析:株を買っていい優良企業かどうか
  3. 株価分析:その企業の現在の株価が割安か割高か

この本の異色な点は、個別株の分析から入らずマクロな経済動向を示す経済分析から入る点。3つの分析の順番が重要で、経済分析が一番大事で、必ず経済分析から始めるべきだと考えているとのこと。

PERという言葉で個別株分析したい初心者を拾い上げ、経済分析に引き込む戦略です。

根拠はやや弱い?

筆者の主張は、割安な時に仕込むべきということです。

5年に一度、少なくとも10年に一度は「買い時がくる」ということです

p042

実際、私は現在10社ほどの企業の株式を保有しており、購入したのはリーマン・ショック後の「買いどき」でした。

p043

5年前や10年前から投資をせずにキャッシュや債権でホールドしておき、リーマン・ショック時に集中投資したという実績を誇るべきで、リーマン・ショック時に仕込んだだけではたまたまタイミングが良かったのか、ちゃんと狙っていたのか分かりません。

経済分析

いずれにせよ、こういう方がどういう気持で経済指標を見ているか知っておいても損はないと思います。

・名目GDP

1990年代以降ほぼ横ばいで推移しています。2008年頃はすこし減少してますね。

・現金給与総額全産業

GDPの6割を占める個人消費を占う値として有用なようです。ただし年ごとの変動は少ない。

・法人企業統計 設備投資
・機械受注(船舶・電力除く民需)

こちらは業績拡大のための設備投資を反映。機械受注の方が設備投資よりもさらに半年ほど早い段階を捉えており、日本経済全体の先行指標として有用とのこと。

・日銀短観(業況判断)
・景気動向指数

この2つは有名ですね。景気動向指数は、先行指数、一致指数、遅行指数と別れているのもポイントです。

筆者のスタンスとしては、これらの指標から経済の状況があまり良くないとき少なくとも加熱していない時に投資をするというスタンスのようです。

日経平均については、この本の書かれた2017年頃の水準を下回っており、「現状は好景気であり、買い時ではない」という筆者の解析は間違いではなさそうです。

しかし伸び率の低い日本株なら5年10年待っても良いかもしれませんが、米国株であればこれだけ暴落したといってもS&P500は2020年3月24日時点で2016年~2017年頃の水準です。

5年前の2015年や10年前の2010年からキャッシュで待つのは得策ではありませんでした。悩ましいですね。

米国の指標としては、

・長期国債金利
・雇用統計
・米ISM景気指数
・GDP

あたりを見ておくと良さそうです。

企業分析

損益計算書で「収益性」を確認

賃借対照表で「安定性」を確認

キャッシュフローで「将来性」を確認

このなかでキャッシュフローが分かりにくいですが、今なにに力を入れて投資をしているのかを確認するという意図です。

経常利益=営業利益(本業による利益)+営業外利益(利子や投資など)

株式投資に対する収益としては、経常利益に特別利益や特別損失を足した当期純利益が重要(その積み上げが利益剰余金)だが、営業利益は「本業での実力」を反映している、営業利益が少ない企業は将来性に欠けるかもしれない。

流動比率=流動資産/流動負債

一般>120、鉄道>50、飲食(日銭がはいる)>70

自己資本比率は中長期的な安定性を反映しており、多くの業種では0.1以上が目安です。

ROEが注目されがちですが、ROAがより大事。

ROA=利益÷資産

資産をどれだけ効率よく使って、利益を生み出しているか。ROAを変えずにROEだけを上げることも可能だが、ROAが上がればROEも上がる。株主だけでなく銀行も重視して、そのトータルの資産に対して利益を生み出す力を表す。小手先のテクニックで飾りにくい企業の実力を反映。真の企業価値を反映している。

一般的には2%程度なら普通。5%は優良企業。3年~5年の推移を見る。

株価分析

PER:一株あたりの当期純利益に対して株価が何倍か

PER<30が目安

PERが高い企業は株主の期待に支えられているので、下落余地が大きい。

PBR<2倍が目安

EPSは株価の増減に依らないので、その推移を見やすい。出資額に応じた利益の増減が分かる。

まとめ

紹介されたいた著者の考える株価が割安な基準を引用します。経済分析・企業分析をした上で、下記の基準に沿って割高な時期に掴まなければ、悪くない投資になるかもしれません。

自己資本比率 20%以上

売上高成長率がプラス

当期純利益伸び率がプラス

配当性向30%以上

配当利回り3%以上

PER 20倍以下

PBR 2倍以下

p230
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